複数会社

Odooでは、複数の会社を単一のデータベース内に存在させることができます。これにより、企業間で特定のデータを共有しつつも、エンティティ間の適度な分離を維持することが可能です。

複数会社機能の使用を決定する前に、検討すべきいくつかの要素が存在します。

重要

複数会社機能は シングルアプリ無料プラン データベースまたは カスタム プランで のみ 使用可能です。

複数会社にアクセスする

従業員がアクセスできる 会社 のリストは、 multi-company database のOdooメインメニューバーの右上、活動中の会社がリスト表示されている場所で見つけることができます。会社名をクリックすると、許可されている会社全てのリストが表示されます。別の会社に切替えるには、ドロップダウンメニュー内の会社名をクリックします。複数の会社を同時に有効にするには、許可したい会社名の隣にあるチェックボックスにチェックを入れます。

データベースにログインしたユーザがアクセスできる会社のリストの例

複数の会社にアクセスできるユーザの例です。現在の会社は My Company (San Francisco)ですが、My Company (Chicago)も有効化されています。

注釈

各チェックボックスにチェックを入れると、データベースが更新される場合があります。

複数の活動中の会社

同時に複数の会社が有効化されている場合、1つの会社が紫色でハイライトされ、メニューバーに表示されます。これが 現在の 会社とみなされます。

新しいレコードを作成する際、次の状況を除いて、現在の会社が 会社 フィールドに追加されます。

  • 新規プロダクト、または新規連絡先の 会社 欄は空白のままにしておきます。

  • システム内にすでに関連ドキュメントがある場合、新規レコードの 会社 は、同じ会社がデフォルトで入力されます。

Example

Mitchell Adminには複数の有効化された会社がありますが、現在の会社は My Company (Chicago) です。彼が新しいプロダクトレコードを作成すると、会社 フィールドはデフォルトで空欄のままです。

新しい販売チームが作成されると、 会社 フィールドは自動的にデフォルトで My Company (Chicago) になります。

データを共有する

multi-company database では、特定のレコードは、全ての会社(または許可に基づき複数の会社)で利用可能です。

プロダクト

multi-company database では、新しいプロダクトはデフォルトで、会社フィールド が空白の状態で作成されます。 会社 フィールドが空白のままの場合、プロダクトは全ての会社で共有されます。

連絡先

プロダクトと同様に、連絡先レコードはデフォルトで全ての会社で共有されます。 アクセスを単一の会社に制限するには、連絡先フォームの 会社フィールド をクリックし、連絡先を割当てる会社を選択します。

会社間取引

会社間取引 機能により、データベース内の1つの会社が、同じデータベース内の別の会社と商品やサービスの売買を行うことができます。オーダと顧客請求書のドキュメントは、設定に応じて自動的に生成および同期することができます。

警告

会社間の取引が適切に処理されるように、会計ポジションやローカリゼーションなどの特定の設定を正確に割当てることが必要です。 追加の情報については、会社間取引 を参照して下さい。

使用ケース

多国籍企業

米国とカナダで業務展開する多国籍小売チェーンは、米ドルとカナダドルの両方の通貨で取引を管理する必要があります。

さらに、両国では税法や規制が異なるため、複数企業機能を利用することが顧客にとって最も適した選択肢となります。

これにより、国境を越えた在庫移動を管理する必要がある企業間の取引が可能となり、同時に両国の顧客に対してそれぞれの通貨で販売することが容易になります。

プロセスを分ける

ある小規模な家具会社が、調達、在庫、製造プロセスを個別に必要とする新しいプロダクトラインの開発に取り組んでいます。新規プロダクトは既存の品目とは大幅に異なります。この会社は、この新しいプロダクトラインを別個の事業体として扱うために、複数会社機能の利用を検討しています。

家具会社は、データベースを過度に複雑化しないため、新しい会社を追加する必要はありません。代わりに、分析会計 や複数倉庫などの既存の機能を活用して、取引を複雑にし過ぎることなく、新しいプロダクトラインを管理することができます。

制約

状況によっては、潜在的な制約により、multi-company database が最適な選択肢で ない こともあります。

アクセス権

ユーザのアクセス権はデータベースレベルで設定されます。ユーザが1つの multi-company database で複数の会社にアクセスできる場合、そのアクセス権はすべての会社で同じになります。

共有済レコード

個々のレコードは、次のいずれかとなります。全ての会社間で 共有済 か、または単一の会社に属しています。

PDF レポート

特にPDFレポートに関する一部のカスタマイズは、全ての会社に適用されます。個々の会社ごとのレポートを分けることが常に可能であるとは限りません。